22年3月。ダイコンのつぼみの上でカメムシを発見。
おお、これまた派手なのが
『ヒメナガメ』というカメムシ。
オレンジ色をベースに、黒い模様が入っているのが特徴(いや逆かも……)。
模様は少し複雑で、まるで人が描いたよう。また、赤と黒ほどじゃないものの、少し毒々しい印象も受けます(※特に毒は無し)。ただ、オレンジと黒の組み合わせは結構相性がいいというか、見た目に違和感がなく自然な印象もあるかなとも思います。
大きさ…は実際測ったわけじゃないけどたぶん1cm前後くらい?
ちょっと小柄っぽい
『ヒメ●●』という名前は小さいものに付いていることがあります。
例えば自分が知ってるものだと
蝶の『アカタテハ』と『ヒメアカタテハ』
花の『マツバボタン』と『ヒメマツバボタン』
…などがあります。
ヒメアカタテハはアカタテハと模様が似ています。ただ個人的にはツマグロヒョウモンのほうがパッと見た感じ似ているかなぁと思います(あくまで個人的に……)
ヒメマツバボタンはマツバボタンの花がそのまま小さくなったような見た目で葉っぱの形状もソックリ。
ヒメナガメの場合も同様で、『ナガメ』という別のカメムシがおり、見た目がよく似ています。
ここを見に来た人で
『アレ、似てるけど何か模様違う気がするな?』
というそこの貴方。それはナガメかもしれません。
見分けるポイントはサイズと模様。
実際撮った写真を参考にざっと描いてみた
※あくまで模様のみの比較のため同じ大きさで描きましたが実際はヒメナガメのほうが小さいです
まず体前方(頭の後ろあたり)の黒模様がナガメは2つ、ヒメナガメは4つに分かれています。そして背中側もヒメナガメのほうがオレンジ部分が多く、ナガメはそれと比べて黒部分の面積が広い。
サイズ感……は実際比べないと実感しづらいんですが、ヒメナガメはよく見かける緑のカメムシなどと比べても小さめなのでナガメを見たことが無い人はそっちをイメージしてみるといいかも。ナガメは大体同じくらいかな?あとヒメナガメのほうが少しほっそりしてて羽の下の模様が端から見えます。
24年6月にナガメと一緒にいるところを撮影することが叶いました(上記イラストのナガメもこちらを参考にしています)。きちんと並んでるわけじゃないので比較になるかはちょっと微妙なところですがよかったらどうぞ。
さて、ではヒメナガメをいろんな角度から見てみようと思います。
横から撮った写真。流石『カメ』ムシというだけあってカメの甲羅っぽい形。腹は白いけれど、そこにもびっしりと黒い模様があるのが見えます。
おなかの写真(頭が下になってる)。さっきは側面しか見えていなかったけど、側面の模様は短く、腹の模様は少し長い。
背中側よりは模様がシンプルかな?
面白いんだけど正直ずっと見てるとちょっとゾワゾワしてくる……
頭を上にした内側部分。黒っぽい模様が多いもんだから、パッと見てどれが目か分かりづらいです。
一見、黒の大きい部分がつぶらな目に見えなくもない…が、おそらく本来の目はひとつ隣の小さい●(画像に書いてるとこ)。
ついでに9月にも撮影できたんで載せておきます。日光の当たり具合の関係でちょっと色が薄く見えるけど、概ね綺麗に撮れてます。
背中側から。(自分にしては)背中の質感もかなりはっきり撮れて満足。これだと模様がはっきりわかりますね。
何だか見てると人の顔に見えてくる気がする……
オレンジ色がクワガタの頭にも見えるし、黒い部分は蝶々にも見えます。何だかちょっと隠し絵みたいで面白い。
…もしかすると
『自分が探しているのはナガメもヒメナガメも似てるけど何か違うな……』
とここまで読んで思った人もいるかもしれません。
ヒメナガメの幼虫もまた少し見た目が異なります。
因みにこっちが幼虫。成虫より全体的に丸っこい。模様は異なりますが面影はあります。
丸みが強いカメムシは大体幼虫なので、図鑑などを見て見つからない場合は幼虫の段階の写真も探してみると意外と見つかるかも。
……というわけで、今回は『ヒメナガメ』についてでした。あとこのカメムシ草食なので野菜などを栽培している人はちょっと注意。以上。
ほかカメムシについては下記↓
同じカメムシの幼虫でも成虫と似てないパターンもあり。
こっちは肉食カメムシ。幼虫の中身をすする猛者。