24年10月某日。外でもっさりと生えまくったトレニアの群生を眺めていたところ、ヒュンヒュンと何やら飛んでいる気配が。
『ホウジャク』だ
久しぶりに見ました。
ホウジャクはスズメガの仲間で、全体的に茶色で体がずんぐりしているのが特徴。ほかの蝶や蛾は羽の方が目立つ傾向である一方、こちらはどちらかといえば胴が目立ちます。飛んでいる状態だと羽が見えづらいというのも理由としてあるかも。茶色のほかオレンジや白は入っているものの、そこまでは目立たない印象。あと、触角は先が丸っこく見えるので形状的には蛾というより蝶に近い気がします(そもそも蝶も蛾も似たようなモンといえばそう……)。
ホウジャクにも種類があるみたいなんですがたぶんこれは『ホシホウジャク』じゃないかな?
『オオスカシバ』にソックリなんだよなぁ
同じスズメガの仲間に『オオスカシバ』という虫がいます。
これは22年に撮影したものから描き起こしたイラスト。
形状は本当にソックリ。オオスカシバとホウジャクの大きな違いといえば、
オオスカシバは緑や黄色、黒といったコントラストの強い配色となっています。カラフルで結構目立つ。
また、『透かし羽(すかしば)』という名前のように、羽が透けているのが特徴です。ホウジャクは透けていません。
んー、羽の動きがすごく速いからもし外で見かけても目視じゃ羽の違いは確認できないかな……
あとホウジャクの方がちょっと小さい感じですね。
ちょっと横向きから。
背中側から。
顔がいちばんよく撮れたのがコレ。蝶や蛾とは何となく違う、鳥のような魚のような不思議な形状。
羽がいちばんよく撮れたのはコレ。
『羽まで綺麗に撮れへんの?』というご指摘があるかもしれないんですけど、
いや、無理っすわ……
なんせこの虫、常にホバリングで浮いてるんですよね……基本的に何かに留まったりとかしないので(流石に寝るときとかは止まるんじゃないかと思うんですがたまたま昼間見つけた状態でそれを狙うのはかなり無理ゲー)羽の残像なしで撮るのは難しいと思います。それにじっとしてないから数秒花の蜜吸ってたかと思うとすぐ移動します。今回上げている写真は結構な量シャッターをきってその中でもだいぶ上手く撮れてるほう。自分の反射神経と古いデジカメの精度じゃココが限界といったところ。
実際ネットで検索すると羽まで綺麗に撮れてるのあるけど、『アレは飼育してる個体』か『カメラの精度が良い(連写できる)』か『腕前がプロ級』のどれかやと思いますわ(わからんけど)
因みに動くと逃げそうだったんで無我夢中でシャッターを切り、その後一歩動いたら察知して逃げていきました。
花の蜜を吸ってるところは上手く撮れなかったんで、22年撮影の写真を基に簡単に描きおこしました。口、長いね。
余談ですが、よく『オオスカシバはハチと見間違える』ことがあります。実際自分も外で遭遇したときにヒヤッとしたことがいくらかあり。そんじゃあ『オオスカシバに似ているホウジャクも見間違えるのでは?』と思うかもしれません。
……個人的にはオオスカシバよりは見間違えないかな
例えば後ろ姿を比較してみますが、
左がオオスカシバで右がホウジャク(片方イラストで失礼)。
オオスカシバは下半分が黄色と黒。もちろん静止画で見れば全然ハチじゃないのはわかるんですが、実際のオオスカシバはじっとしてないんでブンッ!!と飛んできた時にこの色のせいでハチと誤認することがあります。
一方ホウジャクはパッと見たときの印象が『茶色』です。特にハチのような色味を感じないので、オオスカシバと比べればおそらく間違うことはあまり無いんじゃないかと思います。
……まあそれでも羽音スゴいから耳のそばで聞こえたら正直体が硬直する
姿を認識してない状態で音だけ聞こえるとやっぱりビビります。特に自分はビビリやなんでね……怖いモンは怖いんでアレですけど、まあ知っておけば安心材料にはなるかと思います。
……というわけで今回はホウジャクについてでした。羽音はでかいけど割とかわいい虫なんでヨロシク(?)
★今回比較に出したオオスカシバについてはこっち(※背景とか写っちゃったんで写真じゃなくてイラストです)