蝶や蛾には目のような模様がある種類がいます。おそらく天敵を威嚇するためなのでしょう。正直人間から見てもちょっと怖い……と感じる人もいるんじゃないでしょうか。自分も実はそう。
今回はその中からこちらを紹介します。
ヒメウラナミジャノメって蝶
『ジャノメチョウ』っていう蝶の一種です。大体春~秋あたりに見かけます。
表はこんな感じ。表も裏も目玉模様はありますが、数や全体の色味などが異なります。
簡単に図にしてみると以下の通り(※一例です)
・全体的に濃い灰茶色、波模様は無し
・目玉模様は前翅に1個、後翅に2個
・薄い茶色をベースに波立った模様あり
・目玉模様は前翅に1個、後翅に5個
補足:前翅(ぜんし)は上2枚の羽、後翅(こうし)は下2枚の羽のこと。
このように、表と裏で結構イメージが異なります。
『ヒメウラナミジャノメ』という名前は一見長くて覚えづらいように思います。……特徴を捉えて考えれば割と覚えやすくなるかもしれません。
名前を区切って考えてみるとわかりやすいのかも
(名前に『ヒメ』が付く虫や花は小さいものが多い)
・ウラナミ:裏に波模様がある
・ジャノメ:『ジャノメチョウ』
……こんな感じ。正直個人的に他のジャノメチョウは『ヒメジャノメ』しかまだ見たことがない(24年12月時点)ので他のジャノメチョウと比べた時のサイズ差はちょっとわからないんですが、とりあえず他の蝶と比べた場合は確かに大きくはないな……と思います。
因みにジャノメというのは『蛇の目』。模様がヘビの目っぽいことからこの名が付いています。
ヘビの目の例↓
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よく見かけるヘビの一種、シマヘビくんです。21年度撮影分より。
こう見ると確かに丸くて瞳孔が黒いので似ているように思います。
ついでに、さっきの羽の表と裏の画像で※印を付けていた部分の補足をしておきます。
どうも後翅の裏側の目玉模様にはいろんなパターンがあるようです。実は自分もイラストのモデル用に写真を選抜していた際に気づきました。
それぞれの撮影日と大まかな模様をざっくりと描いてみたらこんな感じだった
文章で説明すると以下の通り(黒い丸を●、その外側の丸は◎として表記しています)。
②◎は同上、1~2個目の●は結合。
③上から1~2個目の◎は結合。ただし中の●は結合していない。他◎も結合していない。
④上から1~2個目、3~5個目の◎が結合。中の●はどれも結合していない。
※●の中の白い斑点は写真だと判別しづらいものがあったためそれに関しては除外しました。なので描いていなくてももしかしたらあるかもしれません。
この4種だと上から1~2個目の◎が結合していることだけ共通であとは少しずつ違いが見られました。いずれも●はほぼ5個でパッと見たときにそちらに意識がとられるため、◎の部分はじっくり見ないと気づきづらいかもな……と思います。
季節とか関係するのかなとちょっと思ったけど撮影時期と模様を照らし合わせても特にわからなかったし、たぶん遺伝というか個体差なんじゃないかな……(※専門家じゃないので違うこと言ってるかもしれません)
ここまでいろいろパターンがあるなら他の種類と間違わない?と心配な人ももしかしたら出てくるしれません。
…ご心配なく。他のジャノメチョウについて調べてみたところ、目玉模様の数や大きさなど種類でまちまちっぽいので
『波模様の有無』
『目玉模様(特に黒部分)の数』
だけ見れば判別が可能かと思います。ご参考までに。
おそらく上記の図以外のパターンもたくさんあるんだろうなと思うんで、もし撮影機会があれば追記したいと思います。
★ヒメジャノメはまた模様がちょっと異なり、こっちはちょっとシンプルな見た目↓
★ジャノメチョウ以外にも目玉模様の蝶にはこういうのもいます。オレンジ色で結構派手↓