蝶の幼虫を狙う!肉食カメムシ

肉食カメムシ(デフォルメイラスト) カメムシ

時は22年。プランターでビオラを育てていたんですが、ツマグロヒョウモンが卵を生んだらしく、幼虫がたくさん発生してしまいました。スミレの仲間を食べるツマグロヒョウモンの幼虫にとって、人間が育てているパンジーやビオラはご馳走といっても過言じゃないでしょう。もちろんモリモリ食われるので花を守りたい人は対策が必要になります。

【ツマグロヒョウモンの幼虫】
黒地にオレンジの毒々しい色合いとトゲトゲした形から危ない毛虫!?に見えなくもない虫。実際は毒は無いし実を言うと毛虫でもない。よく見ると毛じゃなくてトゲ。
『ツマグロヒョウモン』はパンジーが好き
ツマグロヒョウモンという蝶の幼虫。パンジーの葉や花を食べます。毒々しい赤いトゲを持つものの、見た目に反し毒はありません。

この時はまあビオラも時期が終わりに近いしそのままでもいいかと思ってそのままにしてました。

しかしある日、プランターを覗くと3匹ほどくったりとお亡くなりに……。

 

え、どうした……?

少なくとも6~7匹ほどいたはずの幼虫はこれで半分ほどに減ってしまいました。

いっぺんに数匹も!?とビックリした記憶があります。何かあったに違いないとは思ったものの当初は原因がわからず、外の気温が連日高かったため、『もしかすると夏の炎天下に耐えられなかったのかもしれない……』と考えていました。(※ただしその後これ以上の気温の日が続いている間も幼虫は日陰を探しつつ元気に成長していたんでこの仮説は無さそうだなと後で思った)

そして6月某日…いつも通りに花の様子を見ようと外に出たところ、とんでもないところに遭遇してしまいました。

できるだけデフォルメで表現していますが虫の捕食のイラストがありますので、苦手な人は注意してくださいね!ちょっと絵面がエグいよ!!

ウワァァァァ!!!!!!

カメムシが、ツマグロヒョウモンの幼虫を引っ張り上げていました。正直本当ビックリした

近くに寄る勇気が無く、とりあえずデジカメで撮って拡大して見てみました。どうやら口の管?を刺してそのまま持ち上げているよう。つまり、中身を吸っているわけです。幼虫は既に死んでおり、重力にまかせてだらりと垂れ下がっているだけ。

今思えば、先日の幼虫も何となくからだがしぼんでいるというか、少しだけぺしゃんとした感じだった気がします。

つまり原因はコイツってことか……

ツマグロヒョウモンの幼虫にとっては災難でしょうが、これも自然の摂理……。カメムシからすりゃ生きるために大事な食事です。ただ如何せん、普段直接見る機会がそんなに無いシーンだったため、なかなかに衝撃を受けました。

さて、このカメムシの正体についてですが……

(当時の写真を見ながら描きました。もしかすると細部ちょっと違うかも)

キュウシュウクチブトカメムシ
…と、思われる

見て分かる特徴を挙げてみると、

・全身は薄い焦げ茶みたいな色
・フチにカメムシによるある縞のような模様(腹の模様が上から見えてる)
背中に白い2つの点がある

見た目は平たく背中が広い、典型的なカメムシって印象。

幼虫に限らずサナギも吸ってしまうらしく、前に見つけたサナギの後ろに潜んでいたのもおそらくこのカメムシ。結局このサナギは羽化すること叶わず……。

キラキラのトゲ輝く、『ツマグロヒョウモン』のサナギ
ツマグロヒョウモンのサナギ。全身は茶色く、トゲがあります。下半分に光沢のあるトゲがあるのも特徴的。

畑や家庭菜園によくいる『ナガメ』『ヒメナガメ』、『ホオズキカメムシ』は葉っぱを食べる虫(害虫)なので個人的にはそちらの印象が強く、今まで『カメムシ=草食』みたいなイメージがありました。今回のカメムシは幼虫を食べているので肉食

よく考えたらテントウムシも草食と肉食がいるんですよね……。同じ仲間でも食べるものがだいぶ異なる場合があるのはちょっと不思議な感じ。

いや~でも自分の数倍の大きさはある幼虫をあれだけ持ち上げるパワーは圧巻やね……

昆虫ってかなり力持ちなイメージあります。例えばアリとか。すごいネ。

因みに蝶や蛾の幼虫の天敵には他にも鳥や爬虫類がいたりします。ただ彼らの場合丸ごと食べてしまうんで幼虫のからだは残らないはず(たぶん)。

なので、もし幼虫がからだを残したまま不自然に死んでいた場合、このように体液を吸う他の虫が近くにいる可能性があります。特に人間に害は無いでしょうが一応参考までに。

今回のは比較的地味な色だけどナガメとかヒメナガメあたりは割と派手。ただしこっちは草食。

タイトルとURLをコピーしました