暖かくなってくると、ちょっとずんぐりむっくりした緑色の虫が飛びまわるのをよく見かけるようになります。
『オオスカシバ』っていう虫。
※上イラストは21年8月31日に撮影したものを基に描いていますが、写りがよくなかったため足の部分等ちょっと適当。
オオスカシバってどんな虫?
スズメガという蛾の仲間
『スズメガ』の仲間。大体春~秋くらいによく見かけます。
体色は抹茶のような少し大人しめの『緑色』に加えて『黄色』『黒』…となかなかにカラフルな色合いで、羽根が透けているのが大きな特徴。(透かし羽=スカシバ)
『オオ(大)』と名前に付くだけあってサイズは割と大きめ。体長もそこそこあるものの、体が太めでずんぐりしているので、余計に大きく見えます。
『オオ』が付かない『スカシバ』という虫も別にいるよ
スカシバは名前通り『スカシバ』という蛾に分類されるようなので同じ蛾の仲間でもちょっと違うみたいです。
因みに同じスズメガの仲間である『ホウジャク』という虫にシルエットがソックリ。違うところといえばオオスカシバはカラフルなのに対しホウジャクは茶色メインでちょっと地味めというところ。
基本的にずっと飛んでいる
オオスカシバの大きな特徴として『常にホバリングしている』というのがあります(ホウジャクも同様)。昼間もよく花の蜜を吸っていますが、その間もずっと飛んでます。ほかの蝶や蛾みたいに花に留まるということはあまり無いように思います。
まあ流石に24時間飛んでるとかは無いだろうしネット上に留まってる写真はよく出てるからどっかでは留まってると思うけど、たまたま見かけたときに留まってるとこ見れることはあまり無いかなって……(実際自分は一度も見たこと無いです)
飛び方もちょっと独特で、花と花の間を『スッ……スッ……』みたいな感じでスムーズに移動します。じっと見てると割と面白い。
意外とハチに似ている?
さて、このサイズ感と色合い。
ハチと非常に見間違えやすいです。
写真で見る限りだと全然違うので
『いや、間違うか?』
……と思うかもしれません。
いや~、意外と間違うよ、コレ
写真やイラストで静止画を見るのと、実際飛んでいるのをパッと見るのとでは印象がかなり異なります。
※簡略的に描いたので細部違うところはあると思います、あしからず
まず瞬間的に視界に入ってくるのは黄色と黒の配色。この色の組み合わせは『警戒色』と呼ばれています。おそらく人間が本能的に危険と判断する色合いなので無意識にでも警戒してしまうでしょう。
それに加えてサイズの大きさもあります。例えば警戒色を持っていても『ハナアブ』など小さい虫であれば似ているハチは『ミツバチ』ですからそこまでビックリすることはありません(とはいえ苦手な人は苦手だろうけど……)。しかしオオスカシバのサイズだと間違う対象が『アシナガバチ』等の危険なハチ。一瞬肝が冷えます。
あと、羽音も大きいです。『ブンッ!!!』とすごい音がします。姿を見ずに音だけ聞いてもギョッとしてしまいます。
人の近くも割と平気で飛びます。そこそこでかいサイズの虫が『スッ!!!』と飛んでくるので、特に虫が苦手な人は怖いと思います。
……もちろん、ハチみたいに刺したりはしないし毒も持ってないので安心してください。
ハチっぽい虫って結構いるイメージある(大体アブとかだけど)
★ハチに似た虫の一例(オオスカシバも入れてる)↓
今までに出会ったオオスカシバ
今までに撮影してイラストに描き起こしたオオスカシバをまとめときます
21年8月(緑色)
まず冒頭にも上げたこちら。自分が一番最初に撮影したものを描きました。ちょっと鳥っぽい。
この年はこの1枚しか撮れませんでした。
22年6月(緑色)
前回から約1年、かろうじて正面から撮れた写真より。正面顔はこんな感じ。
色も相まって、『ウグイス』や『メジロ』あたりの鳥みたいにも見えて可愛い。
22年9月
キバナコスモスのあたりをブンブンと2頭飛んでいるのを発見。若干ぼやけているし羽も写らないものの、かろうじて全身の撮影ができました。2頭とも、先の6月に撮影した個体と比較すると少し黄緑というか、黄土色みたいな少し落ち着いた色合いです。
後ろから。腰の赤色が鮮やかで、お尻がモッフモフ。
正直羽が写らないのがちょっと悔しいのだけど、自分の持ってる古めのデジカメと拙い撮影技術ではこれが限界。如何せん素早く、ちっともじっとしてないっていうのもあるんですが…。
とは言ってもこの虫自体はそんなに珍しくはないので撮る機会は今後もまあまああるんじゃないかな~と思ってます。また撮影できたら追記したい所存。