大きい目玉模様~タテハモドキ~

タテハモドキ・イラスト簡易版 昆虫

蝶や蛾には変わった模様を持つものがたくさんいます。

その中でも目玉模様を持つ蝶の一種がこちら。

『タテハモドキ』っていう蝶

タテハモドキって?

目玉模様のある華やかな蝶

オレンジ色の羽に大きな目玉模様が付いているのが特徴。

特に下の羽に付いている目玉模様にはご丁寧にハイライトのような白い模様が入っている+その下にちょっと明るい色の部分があるため、かなりリアル。

面白い模様ですが、たぶん苦手な人は苦手だろうなと思います。ぞわぞわするというか……そもそも外敵に狙われないように進化した故の模様でしょうから、人間もそう感じたとしても特に不思議なことじゃないです。もちろん好きな人もいると思うんで、そこは好みの問題でしょうね……。

縦縞も少し入っているので豹(ヒョウ)っぽいイメージもあります。

目玉のある蝶でたまに見かけるものといえばジャノメチョウとかかな……でもジャノメは灰色っぽい見た目で控えめな印象だからここまで派手なのは他になかなかいないかもね

サイズは…大体羽を広げて5~6cmくらいかな?シジミチョウほど小さくはないし、かといってアゲハほども大きくない。中くらい?といったところ。

★ジャノメチョウ2種はこちら↓

ヘビの目っぽい蝶?ヒメウラナミジャノメ
ヒメウラナミジャノメ。羽の裏側に波模様があるジャノメチョウの一種。ヘビの目のような模様がありますが、表と裏で数が異なります。
丸い目の模様がある小さい蝶、ヒメジャノメ
ヒメジャノメ。ヘビの目のような模様の入った羽を持つ『ジャノメチョウ』の一種。ヒメウラナミジャノメと比べると見た目が何となくスッキリしてます。

似ている蝶は?

『オレンジ色の蝶』で括るなら同じタテハの仲間の『キタテハ』『ヒメアカタテハ』『ツマグロヒョウモン』あたりはよく見かけます。ただヒョウ柄ではあるものの目玉模様がないのであまり似ている印象は持ちません。敢えていえばキタテハは羽を閉じた時の色や形状が秋のタテハモドキと似てるかなってくらい。

目玉模様もあるという条件でいろいろ調べてみたところ『クジャクチョウ』というのが少し似てるかなと思います。あちらのほうが青みが入ってる分もうちょっと派手というか毒々しい印象。ただ生息域的に今後シャッターチャンスは無さそうなのが個人的に残念。

まあそこは致し方なし

時期で少し姿が異なる面白さ

タテハモドキといえば面白い点として『時期によって姿(特徴)に異なる点が見られる』ということがあげられます。

一般的に『夏型』と『秋型』で分けられるようです。夏型は名前通り夏頃に見られる個体。秋型ももちろん秋というか寒くなってきた頃に見られますが、前3月に見た個体が秋型だったので春先に見られる越冬個体も秋型のようです。

異なる点について、わかりやすい部分を3つほど上げておきます。

羽の形状の違い

まず、一番わかりやすい部分。羽の形状が異なります。

夏型と比べ、秋型は羽上部が出っ張っています。あと下も少し角張っている感じ。

例えばこちらは夏型。モデルにした蝶はちょっと羽が欠けてしまっていました。厳しい環境を生き抜いてきたんでしょう。

冒頭にも上げていたこっちは秋型。地面の上で休んでいました。

こう見ると羽のところをちょっとくり抜いたように見えて面白い。

模様や色合いは大体同じなんだけど形が違うだけでだいぶ印象が変わるんだよなぁ

秋型のほうが形状的にインパクトがあるので、こっちを先に知ってると夏型を初めて見た時に同じ蝶と判別できないかも。

羽の裏の模様の違い

2つめ。これは羽を閉じた時に見えやすい特徴。

夏型は裏側にもくっきり目玉模様があり、一方秋型には目玉もようは無いのです。

もう少ししっかり描いたものがこちら↓

夏型。薄茶色をベースに縞のような濃い模様と小さい目玉みたいな模様があります。流石に表側ほど派手ではないものの、これはこれでインパクトあり。

秋型。縞模様や目玉模様は見当たらず、全体的に茶色でカサカサしてそうな見た目。羽のすじ模様と合わせてすごく枯れ葉っぽいイメージ。

さっきも書いたんですがキタテハが閉じた状態とちょっと似ています。

因みに日光の当たり具合によっては上のように透けて見えることがあります(中心の黒い部分は上下の羽が重なっているのでこう見える)。これを夏型と間違えないようご注意を。

羽のフチの線の違い

3つ目。ほか2つと比べるとちょっと地味な違いかも。羽のフチの模様が少し違います。

夏型はフチに黒い線が割とくっきり入っています。秋型は線はあまり目立たず、茶色く掠れたような色になっています。

写真のほうがわかりやすいかな

※直射日光の下で撮影したため夏型のほうが黄色っぽく写ってしまってます

写真だとこんな感じ。夏型はフチの模様がはっきり見えます。秋型のほうは太い茶色い線のようになっています。

…実を言うとわたくしきぶとらも先日(※24年度)の画像編集中にやっと気づきました。目玉模様のインパクトが強すぎて視点がそっちに行ってしまってたようです。よく見たらココも違うんですね……。

あとの模様は大体は同じに思えます。細かいところを言えば、

『羽の先にある小さい目玉模様が秋型だとあまり目立たない』
『縦縞部分(上の羽の目玉模様の上)が秋型は小さい』

などの違いはあるっぽい?

ついでに、前『秋に見たものと比べて何か夏型は小さい気がするな』と思ったことがあるんですが、特に夏型が小さいという話は聞いたことないです(自分が知らないだけかもだけど……)。秋型も2日続けて見かけたとき2日目の個体は小さかったように記憶しているんでたぶん季節に関係無く個体差があるんだと思います。

というわけで今回はタテハモドキについてでした。参考になりましたら幸い。

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