『ツマグロヒョウモン』はパンジーが好き

ツマグロヒョウモン幼虫イラスト 昆虫

園芸で定番の花のひとつ『パンジー』『ビオラ』。特に冬は育てられる花が少ないので、その頃に購入して春まで育てる方も多いのではないでしょうか。

さて、パンジーやビオラを育てていると、春あたりにこのような虫を見かけるようになります。

幼虫の画像なので苦手な方はご注意ください。









ベニ
ベニ

えっ、毛虫っすか?

カーキ
カーキ

毛虫っぽいけど毛虫じゃないんよ

『ツマグロヒョウモン』の幼虫。

毛っぽく見えるのはトゲです。

ツマグロヒョウモンと幼虫

成虫はオレンジ色の蝶

ツマグロヒョウモンは蝶の仲間。

端(つま)が黒いヒョウ柄の蝶。♂と♀で見た目が大きく異なり、♀のほうは白黒模様があるのが特徴。

モンシロチョウよりは大きめですがたぶんアゲハチョウよりは小さいかな?春頃よく見かけるようになるので、幼虫は知らなくてもこっちは知っているという人もいるかも。

パンジーやビオラを好むため、植えているところによく出没します。特に♀が飛んでいたら、卵を生みに来ているかもしれません。先日、自分の育てているビオラの葉の間にいるのを見かけてもしかしてと思っていたのですが、数日後見たら幼虫が数匹確認できました。

…というように、おそらく実際育てている人にとっては割とおなじみの虫なんですが、初めてパンジーを育てる人だとちょっとびっくりするんじゃないでしょうか。

『ツマグロヒョウモン』オスとメス+似たちょうちょ
ツマグロヒョウモンはオレンジ色の羽に黒い模様が映える蝶。雄と雌が一目でがわかりやすいです。

幼虫の成長段階

いろんな大きさのものを見ましたが、幼虫は成長の段階で形状が大きく変わるわけではないと思われます。

実際に、小さいものと大きいものを比較してみるとこんな感じ↓

イラストだと同じ大きさなのでちょっとわかりづらくて申し訳ないのですが、実際のサイズは左が1cmくらい?の小さい段階の個体、右はたぶん3cmくらいだったでしょうか。

こうして見ると、形のベースは同じですが、小さいうちはトゲが短く、色も黒っぽい部分が多いです。また、背中のオレンジ色の線も青白いという違いがあります。(たまたま見かけた野生のものなので孵化何日後とかはわかりませんでした。)

因みに3cmだとまだまだ小さいほうです。成長すると5~6cmくらいにはなります。

毒はある?

ベニ
ベニ

何かトゲトゲしてるし色が派手で怖いんすけど、毒は無いんすか…?

カーキ
カーキ

毒は無いよ、大丈夫

ベニ
ベニ

あ、良かったっす……(ホッ)

一見派手で毒々しい色合い、また多数のトゲを持つことから毒があるのでは?と心配する方もいらっしゃるかと思いますが、

毒はありません。

また、厳密にはトゲなので毛虫でもないです。

なので、もし見つけても過度に慌てたり、不安になったりしなくても大丈夫。もちろん苦手な方も多いだろうし(正直な話自分もあまり得意ではないけど)苦手意識を持つのは仕方ないんですが、とりあえず安全な虫ということは覚えておいて損は無いです。

ただ、無害とはいえパンジーやビオラを好んで食べるため、栽培してる人にとっては害虫です。葉だけでなく花も食べますし、いっぺんに何匹も生まれるので、下手すると大事に育てている花が食い荒らされてしまう危険性があります。咲き終わりの時期ならもうそのままにしておくという選択肢もありますが、まだまだ花が元気だから食い荒らされたくない!という場合はアブラムシ駆除も兼ねてあらかじめ農薬をまいて予防するなどの対策が必要かも。

意外と動きが速く、行動範囲が広い

幼虫なんであまり動かないのかな?と思いがちですがこのツマグロヒョウモン、じっくり見ていると意外と動きが速いのがわかります。たまにビオラの植えた場所から離れ、移動しているところを見かけますが、しばらくしたら違う場所にいることが多いです。

また、プランターや鉢植えなどに発生した場合、見えづらいフチの下部分にいることがあるので、もし鉢を移動させる場合はフチ部分をよ~く確認することをおすすめします。気づかず触るとすごくびっくりすると思うので…。

動きが鈍くなってきた場合は、サナギになる予兆かも。

【ツマグロヒョウモンのサナギの話】↓

キラキラのトゲ輝く、『ツマグロヒョウモン』のサナギ
ツマグロヒョウモンのサナギ。全身は茶色く、トゲがあります。下半分に光沢のあるトゲがあるのも特徴的。

行動範囲が広いせいでいつの間にかいなくなっていることも。もし羽化まで観察したい!という人は見失わないように注意してくださいね。もし近くにいない場合は少し離れた場所も探してみるといいかもしれません。

似ている…かな?

オマケ。似た時期に発生する黒い幼虫にはこのようなものもいます。

左が『キドクガ』(だとは思うんですがもしかしたら違うドクガかも、ちょっと自信が無いです)、右が『モンシロドクガ』の幼虫。黒地に黄色~オレンジ色の模様があるので似ているといえば似ているかな~と思って上げましたが、ツマグロヒョウモンほど派手な色ではないし、トゲというより細い毛がモサモサ生えている印象です。ツマグロヒョウモンの方を知っていればまず見間違えることはないと思います。

こちらは結構いろんな花や木にいるのを見かけます。パンジーには…どうでしょうか、自分は見たこと無いですが……。

毒蛾、という名前からも察するに毒がある毛虫なので触らないように注意してくださいね……。

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